名古屋大学医学部附属病院の初期臨床研修

卒後臨床研修・キャリア形成支援センター

研究と研修の共存

名大病院での臨床経験や指導医達との出会いは
研究者としてのキャリアに大きな可能性を与えてくれます。
名大病院は研究医を目指すあなたを応援しています。

研修医インタビュー

研究者として生きるために
必要な研修がある。

2019年度採用
基本プログラム選択
Y研修医

研究を2年間止めない。初期研修を諦めない。
その共存が、研究医希望の私にとって魅力。

研究医を目指すには2つの選択肢があります。初期研修をせずに研究の道に進むか、初期研修中の2年間は研究と離れるか。しかし名大の初期研修は、その2つのどちらでもない。これが大きな魅力でした。
研究医を志したのは学部3年次。研究室に配属される機会があり、そこで基礎研究に魅力を感じました。研究医になると決意したのですが、そこで立ちはだかったのが初期研修でした。初期研修をしないという選択も考えましたが、医学部で基礎研究をするなら臨床の経験をして、理学部など他学部出身者とは異なる視点からのアプローチで独自性を出そうと、研究を休むつもりで初期研修先を探していたときに出会ったのが名大病院での研修でした。

同じ敷地内に研修先と研究室がある。
研究を進められる、大学院の講義が受けられる。

名大病院の敷地内に研究室がある。徒歩数分です。私は初期研修期間中に大学院の講義を受けられる制度(MD・PhDコース)を活かし、研修2年目から大学院に入学します。1年間、研修と並行して大学院の講義を受けられるので、研修修了後に講義のために研究時間をとられることがなくなります。研修1年目も、ラットを扱う研究だと時間が短いと実験がしにくいのですが、細胞系を扱う同期たちは、研究ができる環境にあります。例えば、2時間空けば研究室に行って実験の準備をして、研修後に研究をする、ということも可能です。同期は私を含め3名の研究医志望者がいて、お互い切磋琢磨できる環境も魅力だと感じています。

研究医として生きていきたい人にも、
大学病院の臨床が学術的で価値がある。

講義など研究に関わることができるだけでなく、名大病院の場合、初期研修自体も研究医にとってプラスだと感じます。カンファレンスでのディスカッションや、エビデンスのリサーチが当たり前の環境ですから、知的好奇心という面でも知識獲得という面でも、とても良い経験ができています。臨床を経験する前に考えていたものとは異なる研究テーマへの興味も生まれました。また、大学病院ということもあって研究に対して好意的な空気があることもありがたいです。
2年目に入ったら自由に使える時間も増えるため、これまで以上に研究室に通う予定。2年間にわたり研究を止めることは研究者にとって大きなタイムロスですから、それを短縮しつつ、初期研修ができるというのは、研究医を目指す医師にとって、とても魅力だと思います。

現在活躍中の先生方

OB研修医(2014年度修了)佐藤好隆

2年間の研修後ウイルス学講座の教員として研究に従事。一方で現在も中央感染制御部での臨床業務や、JSTさきがけ研究者も兼任している。日本臨床ウイルス学会若手奨励賞や日本ウイルス学会杉浦賞なども受賞し活躍中。

主な研究テーマ:腫瘍ウイルス感染細胞の運命決定機構の解明

代表的な論文:
Ohsawa S, Sato Y, Enomoto M, Nakamura M, Betsumiya A, Igaki T. Mitochondrial defect drives non-autonomous tumour progression through Hippo signalling in Drosophila. Nature. 2012 Oct 25;490(7421):547-51.

OB研修医(2015年度修了)小林大貴

研修医2年目から大学院入学(MD・PhDコース)し分子病理学教室へ。研修医2年目の時には病院病理部にて病理診断の基本を学ぶとともに分子病理学教室にて基礎研究の基本的内容を学んだ。現在は名古屋大学・アデレード大学国際連携総合医学(ジョイントディグリープログラム)へ転専攻しアデレード大学に留学中。

主な研究テーマ:大腸がん間質を標的とした新規治療法の開発

代表的な論文:
Mizutani Y*, Kobayashi H*, Iida T*, Asai N, Masamune A, Hara A, et al. Meflin-Positive Cancer-Associated Fibroblasts Inhibit Pancreatic Carcinogenesis. Cancer Res. 2019 Oct 15;79(20):5367-5381.
*: equal contribution

OB研修医(2018年度修了)西脇 寛

大学在学中から研究を志し、名大病院で研修医に。研修医の間にも論文がacceptされた。研修修了後にはシステム生物学講座で研究を続けている。

主な研究テーマ:パーキンソン病と腸内細菌の関連について

代表的な論文:
Nishiwaki H, Ito M, Negishi S, Sobue S, Ichihara M, Ohno K. Molecular hydrogen upregulates heat shock response and collagen biosynthesis, and downregulates cell cycles: meta-analyses of gene expression profiles. Free Radic Res 2018;52(4):434-445.

研究志向者のための
新プログラムを開設しました!

研究医を目指す方に、初期臨床研修を諦めてほしくない。もちろん研究も諦めてほしくない。
そんな思いから、名大病院の
新プログラムが生まれました
(2021年4月開設)。
研究医を目指す人のためのプログラム

【 プログラム概要 】

医学研究分野への進路志向の高い医師に対し、医学部卒前・卒後のシームレスな、若い時期での研究専従の基盤の整備が求められています。医学・生命科学の急速な進歩に呼応するためにも、医学的知識に富む、優秀な若手研究医の育成が強く望まれています。
東海地区初の本プログラムの特色は、基本的臨床能力の習得を目指す研修とともに、研修カリキュラムに沿って研究活動に専念する期間が最大48週間、選択肢として用意されている点にあります。また学内にて実験手法、生物情報学、統計学などの研修の機会が与えられ、セミナー、シンポジウムの参加を通じ、高い創造力・コミュニケーション能力の育成機会が設けられており、市中病院での臨床研修と差別化が図られています。

【 ローテートイメージ 】

当院の基本プログラムと比較した際のローテートイメージは以下のとおりです。
初期研修中に最大48週間の医学研究の選択が可能です。
医学研究の対象となる名古屋大学大学院医学系研究科の研究室はこちら
ただし,人員や資金、スペースなどの都合で、希望の研究室が受入れできない可能性もあることをご了承ください。

初期臨床研修概要

プログラム概要

処遇と待遇

所属

卒後臨床研修・キャリア形成支援センター

身分

医員(研修医):非常勤

給与研修手当

諸手当(研修奨励手当、超過勤務手当等)を含めて月額約35万円程度
休日手当は支給しない。

勤務時間

8時30分~17時15分(休憩時間:60分)※ 週38時間45分勤務。
ただし、ローテート期間中は始業時間、終業時間に変動あり。

休暇

年次休暇:1年次10日、2年次11日
その他の休暇:夏季休暇(6日間)、忌引休暇など

日当直

ひと月当たり5回程度

社会保険労働保険

健康保険、厚生年金
労働者災害補償保険法の適用 有
国家・地方公務員災害補償法の適用 無
雇用保険 有
医師賠償責任保険の扱い 病院で加入(全員加入)

健康管理

健康診断 年2回実施 各種予防接種 実施

その他

外部の研修活動、学会、研究会等への参加可能
(学会、研修会等への参加費用の一部支給あり)
保育施設:有(定員制)
研修医室:有
研修用宿舎:有
※2年間の初期臨床研修期間中は、アルバイトは禁止とする。

研修医受入数

名古屋大学医学部附属病院
医師の初期臨床研修 理念

名古屋大学医学部附属病院では、医師としての人格をかん養し、患者を全人的に診ることができ、
かつ、高水準の医療の提供や将来の医学の発展に寄与することのできる医師を育成する。

名古屋大学医学部附属病院
医師の初期臨床研修 基本方針

プライマリ・ケアやチーム医療の実践等、
全ての医師が身につけるべき基本的臨床能力の修得をサポートする。

地域の協力施設と密に連携して、
その時代の地域社会・患者のニーズに柔軟に対応する能力を育成する。

学内外研究者とも連携して、
新しい医学・医療を開拓していく研究マインドを育める場を作る。

興味や志望する領域、将来のキャリアパスなど
研修医の個別的志向へ柔軟に対応していく。

指導医、看護師およびその他の医療従事者をはじめとする
病院職員全員が研修医教育に参加する。